「綿(めん)」という言葉がイメージさせる感触

 

皆さんは「綿(めん)」という言葉からどんな感触をイメージしますか?

 

この時期、毛布やカバーの買い替えの際にお客様から言われます。

 

「綿って冷たい。」

 

「綿ってヒンヤリする。」

 

「(毛布の場合)綿って薄くて寒そう。」

 

さて、皆さんはどうですか?

 

そもそも綿は原材料の名前です。アオイ科植物のワタから採れます。下の写真がワタの花です。

 

 

この花は短命で1日でしぼんでしまいますが、その後アーモンドの様な形の果実が出来て、それがはじけるとコットンボールと言われる白いふわふわした毛が出て来ます。下の写真がそうです。

 

 

この白い毛の部分を洋服や布団カバー、タオルにする為の「綿糸(めんし)」、布団や敷パッドの中身に使う「綿(めん)わた」に加工します。

 

感触、つまり肌触りというポイントで考えれば綿糸から作る洋服や布団カバー、タオルをイメージするべきでしょうね。

 

洋服をイメージしてもらえたら一番分かりやすいと思います。洋服には色々な肌触り(着心地)がありますよね。

 

そして、これから紹介する生地は全て綿100%と品質表示に表記される場合があります。

 

●ブロードと呼ばれる最もポピュラーな生地です。平織りとも呼びます。冷たいと想像する人の綿のイメージは恐らくこれです。

 

●サテンと呼ばれるシルクの様なツヤが特徴で高級感を持つ生地です。この生地も冷たさを感じると思います。滑らかな生地なので布団カバーに使うと寝返りはしやすいです。

 

●ニットと呼ばれる編物です。伸縮性が出るので洋服のセーターとかTシャツに使われます。この生地は肌触りが柔らかなので暖かみがあります。

 

●ガーゼと呼ばれる生地です。写真は二重仕様(ダブルガーゼ)です。この生地は通気性があり吸湿性の良さ一番の特徴、空気の層が生まれる関係で暖かみもあります。弱い印象を持つ方も多いですが、品質の良い糸を使ったガーゼ生地は丈夫です。

 

●フラノと呼ばれる生地です。これは通常平織りの生地に起毛加工を施しています。毛布の様な肌触りです。これは暖かいです。

 

●パイルと呼ばれる生地です。これはタオルを想像してもらえたら良いでしょう。これも実は暖かみがあります。綿のタオルケットを毛布代わりに布団の内側に使うのは理に適っているんです。

 

●ベロアと呼ばれる生地です。これは荒っぽく言うと綿毛布です。もちろん暖かいです。

 

暖かみのある生地は他にもネル、ベルベット、別珍(ベッチン)、コーデュロイ、シンカーパイル等があります。

 

つまり製品の品質表示に「綿100%」と表記されていても加工の仕方次第で実際の感触(肌触り)は多種多様に変化するのです。

 

 

それに、綿はもちろん羊毛や絹などの天然素材は吸湿性があります。吸湿性のある素材は全て水分を吸った時に熱を出す力を備えています。吸着発熱なんて言われます。あるアパレルメーカーがそんな機能をうたった肌着を販売して大ヒットさせましたが、天然素材ならそんな機能は標準装備なのです。その熱が放出されやすい生地は夏向きですし、肌触りが柔らかで熱がこもりやすい生地は冬向きってことです。

 

綿毛布が薄いのに実際使うとじんわり暖かく感じるのはこの吸湿性による発熱と一緒に使う掛ふとんによって熱を逃がさない構造になるからです。

 

この暖かさの差は起きた瞬間が分かりやすいと思います。天然素材の寝具を使うと起きた瞬間にポカポカしていますが、化繊の寝具の場合はヒンヤリしていると思います。もしくは冬なのに寝具が体からズレてしまって(寝具を蹴飛ばして)寒くて目覚めたりします。

 

 

綿という言葉に冷たいイメージのある方は一度その先入観を捨てましょう。

 

目の前の綿製品が“どんな感触をしているか”まずは触って確かめて下さい。

 

by sleepdesigner:圭(睡眠健康指導士・ダウンプロフェッサー)

 

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