快眠コラム:睡眠障害対処12の指針

睡眠障害対処12の指針とは平成13年に厚生労働省が作成した快眠の為に気を付けるポイントを12項目にまとめたものです。今回はこの指針を紹介するとともに、私なりの簡単な解説を書きます。

① 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
◆睡眠時間の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にはこだわらない。日中の眠気が非常に強くて生活に支障をきたす。また平日と比べ休みの日には3時間以上長く眠らないといられないようなら睡眠不足です。必要な睡眠時間には個人差がありますし、睡眠時間は夏は短く、冬は長くなるものです。こだわらない事が大切です。
◆歳をとると必要な睡眠時間は短くなる。睡眠時間は子供の時はたくさん取りますし、年を重ねるごとに短くなるものです。実際に眠っている時間は、成人以降50歳代までは6.5~7.5時間。70歳を超えると平均6時間弱です。日中、眠気に襲われなければ不眠ではありません。

② 刺激物を避け、寝る前には自分なりのリラックス法
◆就床前4~5時間のカフェイン摂取、就床前1~2時間の喫煙は避ける。コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインの覚醒作用は摂取後30~40分後に表れ、4~5時間持続します。また、タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激するため睡眠を妨げます。その効果は吸入直後から数時間持続します。
◆寝つきの悪い人は読書、音楽、入浴、香り、ストレッチなどでリラックスする。緊張した状態を解放しリラックスすると寝つきが良くなります。自分にあった方法を見つけましょう。ただし、光の影響を受けない様にする事とアルコールは避けて下さい。

③ 眠くなってから床につく、就床時刻にはこだわりすぎない
◆眠ろうとする意気込みが逆に寝つきを悪くする。いつもの入眠時刻の2~4時間前は1日で最も寝つきにくい時間帯でもあり、生理的に人間は早寝が苦手です。眠れない時は潔く一度床を出て、リラックスしながら眠くなるのを待ちましょう。
◆起床時刻は変えない。いつもより眠りにつくのが遅くなったとしても、起きる時刻は変えないようにしましょう。起きる時刻もその分遅らせてしまったら意味がありません。起きる時刻を変えなければ、その日の夜は自然と眠たくなります。

④ 同じ時刻に毎日起床
◆早寝早起きでなく、早起き早寝。人間は生理的に早く眠れない動物です。健康的な規則正しい生活リズムをつくる為には、まず早く起きることから始めましょう。早起きすれば夜は勝手に眠くなります。ただし、夜間の光の浴び過ぎに注意が必要です。
◆日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。起床時刻が遅くなると、その日の就床時刻も後ろにズレてしまいます。結果、睡眠時間が足りずに月曜の朝がつらくなります。平日と休日の起床時刻のズレは2時間以内に収めることと、起床後なるべく早く太陽の光を浴びるようにしましょう。

⑤ 光の利用でよい睡眠
◆目が覚めたら太陽の光を浴びる。人間の睡眠と覚醒のリズムを生み出す体内時計を正常に働かせる為には、起床後すぐに太陽の光(強いう光)を浴びる事が大切です。起きたらすぐにカーテンを開けましょう。屋外の光は、曇りや雨の日でも室内の照明より強い光を浴びる事が出来ます。
◆夜は出来る限り光を浴びない。太陽が沈んでからは出来る限り人工的な光を浴びないようにしましょう。夜間に浴びる光は体内時計のリズムを乱し入眠時刻を遅らせます。室内の照明はもちろん、テレビやパソコン、スマホといった電子機器の光も同様です。

⑥ 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
◆食事もリズムを作る。睡眠と覚醒のリズムを正常に動かすためには3度の食事を出来るだけ同じタイミングでとりましょう。特に朝と夕の時間は変えない方が良いです。もちろん栄養のバランスも大事です。また、夕食は胃腸を休めるためにも少量で済ませましょう。
◆運動習慣は熟睡を促進。人間は時間が来たから眠るという仕組みと、疲れたから眠るという仕組みを使って睡眠を誘発します。運動習慣は後者の仕組みが機能されやすくなります。ただし、体温の上がりきらない朝方と、就寝前の2時間ほどは心拍数の上がるような激しい運動は控えましょう。

⑦ 昼寝をするなら、15時前の20~30分
◆昼寝は短時間で充分。人間の睡眠と覚醒のリズムに従うと昼食後の時間帯に眠気に襲われます。この眠気には逆らわずに20~30分程度の短時間で充分なので昼寝をしてみましょう。その後の活動のパフォーマンスが向上します。
◆夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。昼食後の昼寝は15時までに行って下さい。それ以降の時間帯では夜間の大事な睡眠に悪影響を与えてしまいます。また30分以上の昼寝も同じように夜間の睡眠に悪影響となりますので、注意して下さい。

⑧ 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
◆寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。夜中に何度も目が覚めるなど睡眠が浅いと感じたら、一度遅寝・早起きをして睡眠時間を短縮してみましょう。必要な分だけ床の上で過ごすため熟睡感が増します。
◆生活習慣や寝室の環境、寝具を見直す。浅い眠りの原因には寝酒などの生活習慣や適切な寝室環境を作れていなかったり、劣悪な寝具を使用していることも考えられます。専門家に相談しましょう。

⑨ 睡眠の激しいイビキ、呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
◆背景に睡眠の病気、専門治療が必要。別の病気のために睡眠が妨げられている可能性があります。激しいイビキや頻回の呼吸停止(肥満体型の方、中年以降、特に男性に多い)、就床してから足がむずむずする、ほてる、ぴくつくなどの症状がある方は、睡眠専門医にまず相談して下さい。

⑩ 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
◆ナルコレプシーに代表される過眠症。不眠というわけではなく長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合や、覚醒中に感情が高ぶった瞬間気絶したように眠りに落ちてしまうといった場合は専門医に相談して下さい。過眠症という睡眠障害の可能性があります。
◆車の運転に注意。睡眠不足状態での運転は、酒気帯び運転と同じくらいに注意力が散漫になり作業ミスが起こりやすい状態です。世界的な大事故の原因が睡眠不足による作業員のヒューマンエラーだったケースは少なくありません。大事に至る前に手を打ちましょう。

⑪ 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
◆寝酒による睡眠は気絶と同じ。睡眠薬代わりに寝酒をされる日本人はたくさんいます。ただし、お酒による睡眠は通常の睡眠と同じ様な生理機能を伴いません。眠るというより、気絶するという状態に近いです。現在では寝酒よりも睡眠薬を使う方がずっと安全です。

⑫ 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安心
◆睡眠薬は一定時刻に服用し就床。昔使われていたバルビツール系の睡眠薬は危険な副作用がありましたが、現在主に使われるベンゾジアゼピン系の睡眠薬は医師の指示に従って正しく使う限り、お酒よりも安全な薬です。

以上で12の指針全てとなります。


参考: 内山真(編) 睡眠障害の対応と治療のガイドライン、じほう、2002年


察しの良い方なら冒頭で気が付いたと思いますが、この指針が作られたのは平成13年と10年以上も昔の話です。大きな変化は無いにしろ、今もう一度同じ様なモノを作成したら少し違ってくると思います。その当たりも含めて、各項目の解説は自分なりに現代風に書き直しています。


それと書いていて感じましたが、この指針はまとめたら項目をもう少し減らせるんじゃないかって気がしますね…。


ちなみに、この中でどの項目が一番大事かって聞かれたら、かなり悩みますけど「⑤光の利用でよい睡眠」を挙げたいと思います。日本の現代社会において、明るすぎる住宅の照明環境、急速に浸透した電子機器、これらの光の影響は日本人から夜を消したと言えるかもしれません。


昼夜の明暗のサイクルという大自然の前提条件に合わせて人間は何万年と進化の過程を歩んできました。これに抗うのは並大抵の事ではありません。大自然には逆らわずに合わせる方が、無駄の無い理に適った生き方だと私は思います。

 


by sleepdesigner:圭

 


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